花散

ごはんと旅行とそのた

20240501GW中日を過ごす

引続き、GW10連休中。

どうせなら平日休みを有意義に過ごしたいが、かと言って、金を使いすぎるのも考え物である。だが1日は映画が安い日なので、雨が降っていたが外出することにした。

 

目当ては銀座の天ぷら阿部本店。

ここは以前家族で何かのお祝い事でディナーで来たことがあるのだが、ランチは割とリーズナブルにやっているとのことで、来てみた。

 

開店10分前に到着し、エレベーターで地下に降りると、開店前にも拘わらず席に通してくれた。12時から予約が入っているのでそれまでで良ければ、ということだったが、40分もあれば食事は終わる。

一も二もなく同意して席に着いたのだが、ここでひとつ問題が。

GW中なのでいつものリーズナブルランチがやっていないと言われたのだ。その次のランクは安くとも3000円になる。丼はもう少し値段は下がるが、何故ここに来たって、揚げたてを食べたいからだ。ならば初志貫徹、少し高くても…と天ぷら膳を頼むことにした。

なのに、私の直後に来た客がふっつーにリーズナブルランチを注文しており、注文できるんかい!?!?!?!になってかなりもやっとしてしまった。てんぷらは揚げたてでおいしかったが、これに3000円かー…という気持ちにもなってしまい、総じて、微妙。

ちなみにリーズナブルランチとの違いは才巻海老が1本多いことと、ホタテの海苔巻きがあること、あと小エビのかき揚げがあるかどうか。デザートの有無は不明。

でもそれで1500円の差がつくと思うと、正直、うーん……というところである。

もやもやした気持ちで食べたが、ホタテの海苔巻きはうまかった。海苔の磯の香りがまずきて、その後にホタテのうまみがぐわっとくる。小エビのかき揚げもエビ!エビ!エビ!という感じで小さいながらも食べ応えがあった。デザートは揚げたい焼きで、皮が香ばしくカリカリしてとてもおいしかった。

周りが全然写真を撮っていたので写真はほぼない。食べ終わって12時少し前になると、エレベーターフロア(激狭い)はごった返しており、ほーん…と言う気持ちになった。

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映画だが、基本的に日比谷で2度目のコナンを見る予定だったのだが、他をよくよく見るとオッペンハイマーもやっているとのこと、折角なら初見の作品を見てみたいと予定を変更。

だが公開してから日が経っているせいか題材が人を選ぶからか、都内ではかなり上映時間がしょっぱくなっている。そこで、時間のちょうどよい品川に急遽移動することにした。

 

品川の映画館は初めてではないが地味に……アクセスが悪いというか。可もなく不可もなくという感じ。平日にもかかわらず席はかなり埋まっていた。

 

作品は、結構感覚に訴える所が多いというか、言葉では語らない形式だった。基本的な歴史知識が必要なのはR15作品としては妥当というところだろうか。

科学者は自分の研究結果が実現可能だと、紙の上の計算で現実に勝利した瞬間が一番の恍惚であって、その研究を誰がどう使うかまでは知覚・管理・監督する義務はないのは確かにそうかもしれないけれど、その技術が開発されていなかったら使うこともできなかったのだから、責任が全くないとは言えないよな、と思った。

トルーマンが「思い上がるな、長崎や広島の民衆が原爆を使った君を恨むと思うか?落としたのは私だ」と言った時、罪もない民衆の命を奪う責任を負う政治家だ…と一瞬思ったけれど、民衆を駒としか捉えてないから命を奪うことへの良心の呵責も少ないんだなと思うと、政治家は心が欠けてないとやってられないよなーとも思った。
オッペンハイマーが原爆開発を推し進めたのはナチスソ連の台頭もあるだろうけど、自分の研究分野で他国に先んじられるのが我慢ならなかったからで、そういう研究者としてのエゴで原爆開発を進めたけれど、実験をするまで、実際に遠い異国の地でだれかの命を奪うまでは実感が持てなかったんだろう。実験が成功して喜んだのは、今まで自分を軽んじてきた多くの人間を見返すことができるからで自分の思考が間違っていなかったと事実で認めさせることができるからで、オッペンハイマーという個を世界に認めさせることができるからだった。実際に原爆が使われた後、民衆の興奮の靴音が鼓動に重なって響いたのは、アメリカ国民にとっての原爆は戦争の終結を早めて愛しい家族の帰還を促すものだったけど、それ以上の無辜の命を奪うもので、世界中の核競争と戦争の脅威を加速させるもので、自分の研究が後世に残る悪業だったかもしれないと認識したからかもしれない。周りがオッペンハイマーを持ちあげ、讃え、勲章を与えるのは、自分は原爆開発に関わったかもしれないがその責任を負うべきはオッペンハイマーであるという責任転嫁の気持ちがあるから。だからキティは最後に握手を拒む。
皆、新しい技術は欲しいし、開発したいし、それによる名声は欲しいけれど、それによって歴史に名を残し、批判されたくはない。人間のわかりやすい感情の動きだ。
オッペンハイマーはその場のテンションで行動する後先考えない性格で、一度懐に入れた人間は疑うことなく信じるけど、それは性善説とかではなく人間関係構築が下手だからなんだろうなと思う。ある意味科学者らしいし、産み出してしまったものの恐ろしさがわかるからこそ、水爆の開発には慎重だった。あれは科学者としての自己顕示欲よりも一個人としての恐れが勝った結果だったのかもしれない。不倫もされていたのに、色々彼の研究とその結果にまつわる非難の憂き目にもあっただろうに、彼に寄り添い続けたキティはすごく、強い女だなと思った。
 
翌日、過ごしやすい平日だったのにもかかわらず、寝坊してすべてのやる気をなくしてしまった。近所の中華料理屋で冷やし中華が始まっており、「5月に冷やし中華はじめられてる!!!」というテンションになって私にしては珍しく冷やし中華を食べたが、おいしかった。クラゲが辛くて、えびいかが冷凍じゃないいいえびいかで、おいしかった。

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