母の誕生日祝いで、銀座で食事してきた。
いつが最初だったか忘れたが、就職後暫くして以来、母と私の誕生日祝いにはモノではなく、食事や旅行を奢り合うのが通例になっている。私はオタクなので物欲豊富ではあるが誕生日にもらうような高額なモノ、例えば服とか鞄には全く興味がなく、ある年、欲しいものが決まったらで誕生日祝いとして買ってもらうと言っている間に一年近く経ってしまったことがあった。
母はそれを気にしたらしく、以来、お互いその時に食べたいものや食べたことがないものを奢り合うことにしている。とはいえ食べることが好きな親子のため、フカヒレやふぐ、すき焼きなど、庶民にとって気軽には行けない、祝い事に相応しい食事になることが多く、記憶にも残るし結構満喫している、お互いに。まあ大抵ランチだけど。
今年、母からリクエストされたのは料理の鉄人・道場六三郎氏の和食だった。氏は高齢のため厨房には立っていないようだが、プロデュースというか後継者というか、氏の名前を冠した和食料理屋が銀座にあるというので、今年はそこにした。
銀座ろくさん亭は開店直後にも拘わらず満席だった。だが静かすぎるということもなく、適度にラフな雰囲気で大変満足したランチになった。
一席に一人店員さんが付いてくれ、給仕などすべてやってくれる。この店員のお姉さんがフォロワーの推しているダンサーに似ていてかなり可愛く親切で、私はだいぶメロメロになってしまった。母の誕生日祝いで伺うということを予約時に明記していたので、机にはバースデーメッセージカードと、ドリンクを一杯サービスしてもらった。
夏のコース料理はそれはそれで爽やかでいい。
前菜は鱧の南蛮漬けや西京味噌漬けのクリームチーズ焼き、味の濃い枝豆豆腐など、目にも楽しいものが並んだ。
続いてとうもろこしの擦り流し、お刺身、アマダイの中華風あんかけ、冷たい炊き合わせなどが続き、メインはローストビーフ。
その後、選べるメインからごまだれ冷やしうどんを選んだ。母はカレーうどんにしたのだが、カレーが澄んでいて、でもカレーのスパイスはきっちり感じる、初めてのカレーうどんだった。これなら汁が跳ねても大丈夫な雰囲気。
デザートは焼きプリンとさくらんぼとういろう。さくらんぼは種を抜いてくれている親切設計。母娘、食べるのが早いと自負していても、予約の90分を僅かに超える食事時間となったが、店側は急かすことなく対応してくれて、流石銀座だなーと思うなどした。
銀座で食事と言うと気負うこともあるというか、単純に払う金が増えるのでうまい食事に加え、丁寧な接客を期待してしまうことは多々あるが、コース料金と接客の丁寧さは比例しないということを覚えておきたいし、丁寧な接客をしてもらったらラッキーくらいに思っておくといい気持ちで食事ができると思う。
食後、何となく銀座をぶらぶらしていたらアクアリウムのポスターが目に入り、折角なら行ってみようかということで飛び込みで行ってみた。前売り券も販売していたが、当日券でも余裕で入れた。大人一枚2700円。結構する。
銀座三越の新館8階が海上となり、様々な光や花に飾られた金魚が楽しめる。私は魚の中では金魚がわりとかなり好きな方だし、蜷川実花氏がプロデュースしたブース?コーナー?もあり、目にも華やかで、とても楽しめた。夏はこういう涼しい屋内レジャーがいいな。
その後、MATSUYA GINZAの地下でミルフィーユのようなお菓子や団子を買い、地下道を通って帰路に就いた。夏は地下道が助かりすぎる~。地上は少し歩いただけで暑い……暑い……になるので。
そういえば昨日髪を切りに行ったのだが、いつも行っている店では行きたい日程でいつも切ってもらっている美容師さんの予約が取れず、系列店の別店舗に行ってみた。私は別に美容室に拘りはないというか、美容室が苦手なので、なるべく行く回数が少なくて済むようめちゃくちゃ切ってくれ以外の要望がないのだが、その別店舗は何故か必ず男美容師を宛がわれる。謎。
イエベ秋の女なので似合わないのは百も承知なのだが、ブルべ女への憧れがすさまじく、綺麗なオリーブグレージュにしてみたい欲望を堪えきれず、今回もオリーブグレージュに染めてもらった。いつも黒く染まりすぎたり元々の赤味が消えなかったりと不発に終わることが多くてしつこくオリーブグレージュを試し続けているのだが、今回は結構綺麗に染まったと思う。今回で土台を作り、次回はもうちょっと明るくして理想の色になれたらいいなあと思うのだが、それには多分来月くらいに行かないといけないんだろうなと思いつつ、私はきっと二ヶ月くらい溜めて溜めて行くんだろうな……。美容室、本当に、嫌いなので。