花散

ごはんと旅行とそのた

20240626-28京都出張

事務職には珍しく、京都出張の命が下った。

ムーミンバレーパークで羽目を外したきっかけとなった社外研修の第二弾であり最終章となるが、社会人になってから出張などしたことがなく、かなりテンパった。事務職なので朝から晩までPCに向かっているのが常の人間に対して、朝から晩まで行動を共にし、交流を深める、若干の修学旅行みすらあるこのイベントはかなり苦痛である。こちとらド陰キャやぞ、修学旅行での楽しい思い出なんてあるわけなかろうが、あるのはお思い出したくもない苦い失敗談だけだっつーの。

想像するだに行きたくなかったが、会社が行けと言うなら仕方がない。長いものには巻かれる平社員のせつなさたるや。とはいえ今回は社外の人との飲み会はなく、結論から言えば社内のゆるい飲み会のみ、移動は各自でという大人の修学旅行だったため、意外とそこまで疲れずに済んだ。夏の京都も満喫できたし。

というか、そもそも私が京都送りにされたのも、役職持ちで宿泊を伴う出張でも明らかにOKなのが独身の私しかいないので、人選としては「選抜」というより「消去法」なのは明らかなのであった…。

 

午前中は会社で普通に仕事をして、各自適当に出発。

品川から新幹線に乗る予定だったため品川でお昼も考えたけれど、腹が空きすぎて低血糖になってしまったため、急遽近場の定食屋でさばみそを食す。最近やけに魚が好きで、よく鯖を食べてしまう。

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品川駅でカフェに入ろうか迷ったが、それなら京都のカフェに入った方がいいかと、予定よりもだいぶ早い新幹線に乗り込み3時ごろには京都入りした。

駅前のカフェでのんびりするかとも思ったが、ホテルのチェックインまで2時間くらい余裕があったため、思い切って祇園四条へ寄り道することにした。それにしても、京都の電車は横幅が狭い。

移動時間を考えると祇園四条で過ごせる時間は1時間ほどだったが、まずは行ってみたかった喫茶ソワレへた。激混み予想して入店できずに蜻蛉返りすることも覚悟だったものの、まさかのすんなり入店。流石に平日15時は空いてたか…。

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レトロな昭和喫茶感溢れる内装と、透明感のあるステンドグラスっぽい照明にメロメロになりつつ、勿論名物のゼリーポンチを注文。レトロなグラスにカラフルゼリーがたっぷりでめ〜ちゃくちゃ可愛かった!レモンとキウイがさっぱり感を高め、まさに夏にぴったりの一杯。

ゼリーは味は普通だけれど、レトロサイダーは大好きな味だった。どちらかというとラムネに近い。

 

その後、駆け足で花見小路通へ移動し、推しグループの聖地巡礼に励んだ。

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はなれでちりめん山椒、祇園味幸にて黒い人の竹入り柚子七味と青い人のアーモンド七味を購入!京ばうむは閉店しており、和菓子屋と梅干し屋も寄りはしたものの、何を買ったかは明言されていなかったためそっと店を出ることになった。

特に祇園味幸は、彼らが訪れたのは4年ほど前にもかかわらず未だに特設コーナーがあってテンションが上がってしまい、普段はしないのだけれど、会計中店員さんに「YouTubeで見て来ました」と話しかけるとすかさず「そうなんですね~!私もFC入ってます!」とのこと。「青い人が買ってたのでアーモンドは絶対買おうと思って〜」などちょっと世間話をして、るんるんで店を後にした。行けてよかった!しかも話を聞くに同担でウケた。

 

地図を見ると結構点在しているイメージで、まあ点在はしているのだが、庇のある通りだし、店同士もそこまで離れていないので巡りやすかった。南座も一応行ったけれど、現在の興業のアピールが強すぎてどう撮ったらいいものか…になった。撮ったけど。

 

着いて早々好き勝手行動しているが、名目上、仕事で来ているので指示された時間に遅れる訳にはいかない。定刻通りにホテルにチェックインして荷物を整理、汗を拭き、懇親会会場である清水五条の川床へ向かう。

ひとりでのんびり行く予定だったのだが、ホテルの部屋を出ると同じフロアの方と鉢合わせし、話を聞くと他新入社員数名と待ち合わせをしているという。ここで断るのもどうかと思い、流れに乗って連れだって一緒に行くことになった。

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懇親会会場は会社のえらいひとが張り切って予約してくれた、鴨川沿いの川床。つるが清らかな感じの多分老舗。川床でのお食事は初めてだったけれど、風が涼しくて思った以上に気持ちよかった〜。コース料理だったのだけれど、前菜、マグロや鯛の刺身盛り合わせ、鱧の湯引き、鱧しゃぶ、鮎の塩焼き、とりがいの酢の物、天ぷら、スイカなど夏を感じるメニューでとても美味しかった。鱧おいしかった!!

隣は同じフロアのやや同期の男性だったのだが、彼も下戸でこういう飲みの場は不得手なタイプらしく、変に盛り上がることもなく終始穏やかな席でかなりのんびりできた。

余談だがご不浄に立った後、戻ってみるとデザートのスイカが供されていて、「スイカだ〜❕🎶🍉」とクソデカ独り言を言いながら席に着いたらその同僚男性が振り返って「びっくりした、突然愛想のいい女性の声が聞こえてきたからキャバクラかと思いました」と言っていてクソ笑った。確かに「お隣失礼しま〜す」のイメージある、行ったことないから想像だけど。

あと対面式だったので対面に別支店の営業が座っており、「〇〇さん(私)すごく美味しそうに食べますね」と食べている顔を見られていたらしくて恥を晒してしまった。以前も築地のカウンターですし食べてたら「とても美味しそうに召し上がってらっしゃって…」と言われたことを思い出し、本当に、恥。

以前書いたかもしれないが、その営業はアニオタであり、新入社員歓迎の飲み会で「私も同じアニメ好きっすよ~」と話を合わせたところ懐かれたというか狙われたというか、とにかくなんか、嫌な感じに距離を詰められてかなり辟易した相手である。いい人なんだろうけれど、なんというか、アロマンティックには嫌な雰囲気を感じ取ってしまったためやや遠巻きにいなしていたのだが、後輩女子とアニメや食べものの話で2時間みっちり親しくしており、飲みの後に二人で抜けてラーメンを食べに行く計画まで立てており(二次会に行ったため流れたようだが)よっしゃ狙いから外れた!!と再びニコニコで話すことができた。色恋沙汰で揉めて会社辞めたりしたらやだもんな。

 

二次会の流れから一抜けし、川沿い〜先斗町を少し散歩してホテルに戻った。

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解散になった時点で21時を過ぎていたので、夜カフェと洒落込むにも微妙に遅く、夜パフェも時期的にメロンばかりだったので、スタバで抹茶ラテを買って部屋で飲んでデザートに代えた。メロンはな、アレルギーがあるからな、食べられないんだなあ…。

後で話を聞くと、二次会どころかその後三次会まで雪崩れ込み、後輩女子は三次会会場でひたすら爆睡、タクシーでホテルに連れ帰られたらしく、シンプルにヤベエなと思った。よかったね会社の飲み会で、よかったね変な男とかいなくて…。

 

さて私はというと、宿泊時にもらった朝食券を華麗にスルー、食事から京都を満喫すべく、京味菜のむら烏丸本店にオープンと同時に滑り込み、朝食を頂いた。選んだのは、選べるおばんざい6種とゆば丼のセット。
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おばんざいはショーケースから好きに6種選ぶスタイル。肉魚系は少なく、ほぼ野菜のお惣菜といった塩梅。中から、さば味醂干し、九条ネギのおひたし、山椒なす、カリフラワーのおひたし、紫蘇と木耳、京揚げとピーマン?万願寺唐辛子?のおひたしをチョイスした。
どれもかつおだしの味がしっかりして美味しいが、しかし、一品一品の量が多い!小鉢というには盛りすぎていてかなりお腹いっぱいになった。山椒なすの下に敷いてあったしらすが茄子の紫色に染まっていて流石にちょっとキモかった。
ゆば丼はさっぱりした柚子と椎茸のうまみの強いおだし。とろっとあんが米に絡んでうまかった。開店直後はガラ空きだったが、30分ほどで席が半分ほど埋まったので、やはり人気店なもよう。
 
その後、早朝観光できそうな南禅寺へ。
男子校が近いらしく電車にも駅にも学生がわらわらいて、おまけに南禅寺沿いの学校だったらしく、地図を見ずにあてずっぽうで行ったが、標識を見つつ彼らの流れに沿って何となく歩いていたら何となく着けた。南禅寺の正門あたりに男性体育会系教師っぽい人が「おはよう!おはよう!」と煉獄もびっくりの溌剌スタイルで挨拶運動を行なっておりとても温かい気持ちになれた。私の理想とする清く正しき男子校。よいぞよいぞ。
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8時前だったため、山門も水路閣も人がおらずいい写真が撮れまくりだった。これぞ早起きは三文の徳。他にも滝とか色々回れたら良かったのだが、荷物の少なさを重視してヒールにスーツで訪れたうえ、メインイベントはこの後の仕事だったため控えておいた。
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少し待って入場した方丈も貸切状態で、実にゆっくり見て回ることができた。郡虎図も可愛かった、特に水飲み虎の舌が舌しまい忘れ猫みたいで、同じネコ科だもんな…と思うなどした。
龍の切り絵御朱印も頂いたが、頂いた後で、そういえば辰年だったな…と気付いた。なるほどね。(なるほどね?)
地味に方丈横のお手洗いが綺麗だし、庇のあるベンチがあって、朝の南禅寺、いい。
 
9時過ぎに一度ホテルに戻り、30分ほどひと休みし、研修会場へ移動。
研修は16時半ごろに終わったので、一路離脱して今度は嵐山へ!
嵐山は以前から行ってみたかったのだけれど外国人観光客で激混みして歩くのも困難というイメージがあったので個人旅行ではなかなか行く気にならなかったのだが、仕事場からもそこそこ近かったので下見のつもり行ってみた次第。
17時ごろに着いたため、観光客もいるにはいるがだいぶまばらだった。ゆえに普通に歩ける。いや本当に、外国人はめちゃくちゃ多いけど…。
とりあえず日が暮れる前に渡月橋に行き、推しと同じ画角で写真を撮った。これよ、これこれ。このために嵐山来てんだよ私はよ、という気持ちになった。
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夕飯の店にアタリはつけていたが、露店を冷やかしたい気持ちとめちゃくちゃお腹が空いてしまった気持ちを宥めるため、急遽雲ノ茶で期間限定の紫陽花ソーダと紫陽花ムースを食べることにした。私がいかに理性を失っていたかがよくわかる。ソーダはともかくブルーベリーとレモンのムースなんて普段なら絶対選ばないのに、あまりにもお腹が空きすぎて、衝動を抑えきれなかった…。
ソーダは青といっても限りなく紫という店も多い中、ここはがっつり青でしかも美味しかった。エアコン直撃席だったのかかなり寒かった。
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その後、初志貫徹、嵯峨野湯で夕食。
銭湯をリノベしたカフェなので、基本は洒落たカフェなのだけれど、水道や洗面台などに銭湯を感じられてとても可愛い。
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名物の豆腐パスタ。肉団子と九条ネギの豆乳クリームパスタに豆腐とフォカッチャがついている。
フォカッチャは温かいだけで加点。豆腐は濃厚で、抹茶塩や醤油のかけら、柚子胡椒をつけていただきつつ、パスタに混ぜてくずして食べてもおいしかった。
帰り際、レジ前で何か争っているなと思ったら、子連れの若い母親がPayPayで払おうとしたがPayPayは使えず、財布がないので支払えないと揉めているようだった。キャッシュカードもないので金を下ろせない、現金もクレカもない、店員個人にPayPayで払うので店員の財布からレジに入れてほしいと頼んでおり、なるほどその手が…とは思ったが言い方がめちゃくちゃ上から目線で、うーん…と思った。
というか、財布ないのにカフェでメシ食うなよ。
 
食後、竹林の小径に行ってみたくてそのまま日が暮れるまでまだぼんやりしようと思っていたら、雨予報の話を聞きつけ、暗くなりきっていないものの小径へ向かった。
竹林がライトアップされていて綺麗という話を聞いていたのだけれど、近くまで行ったもののライトアップというか…電灯?だけで暗かったのと、意外と人が少なくて怖くなってしまい、そそくさと撤退。観光客いっぱい!という雰囲気では全然なく、むしろ痴漢が出てもおかしくないな…という暗闇具合だった。
観光地にドスーツのソロプレイ女はかなり浮いていたので標的にする人もいないと思うが、世の中にはいろんな性癖の人がいるのでね。
そんなこんなで速やかにホテルに戻り、雨にはギリギリ遭わずに済んだ。
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翌朝は帰るだけのつもりだったが、出町ふたばの豆餅が京都駅内で買えると聞き、ちょっと早めに起床。
豆餅は特定の土産物屋で曜日指定で購入できる(こともある)そうだが、現地に行って聞いてみると入荷は9~10時の間くらいとのこと。それでは新幹線に間に合わないので、土産を買い、大人しく退散することにした。
ちなみに、駅構内の土産物屋で阿闍梨餅は買えない。京都駅の伊勢丹の地下とかでしか買えないので注意されたい。という話を、川床で食事しながら同僚に披露したので、大丈夫だよな…と思いながら幾つか土産物屋を回ったが、コーナーは出来ていたがやはり現物は並んでいなかったので心底ほっとした、嘘ついてなくて。
朝から雨が降っていて、雨というかもはや豪雨で、ホテルを出たそばから足が濡れて本当に嫌だった。朝食を取る気分でもなかったがお腹は空いていたので、適当にコンビニで柿の葉寿司を購入。いやがっつり食ってるじゃんというツッコミは受け付けない。新幹線で食べて寝て、起きたら身体がバッキバキになっていた。

 

出社後、研修レポートを書いたのだが、弊社ではレポートは書式はあるが内容は適当で、多分人によって書く内容もかなり違っている、が、別に指導はされない。

私は眠気醒ましに研修中にめちゃくちゃメモを取っていたのでレポートを書くのに全く困らずむしろどう削ろうかと思ったくらいだったが、後輩女子が訊きに来た内容が「川床でごはん食べたのって何駅で、どうやって行きましたっけ…」で「まさかこいつ旅程書いてんのか?」と思ったが何も言わなかった。前回もそんな感じで提出して、多分何も言われなかったんだろうし、私は査定者ではないので何を言うべくもない…というか、私も正解がわかっていないので。南無三。